うつはこころの風邪?
「うつはこころの風邪」この言葉は約20年前からよく見かけるようになったフレーズです。皆さんはこころの風邪という言葉からどのようなことをイメージされるでしょうか。
「誰でもかかる」「生活にほとんど支障はない」「休んでいたら治る」「わざわざ医者のところにいく必要などない」などでしょうか。
しかし、うつ病は本当に風邪のようなものなのでしょうか。うつ病に関するさまざまな報告からはうつ病と風邪は似ているところと違うところがあることがわかってきています。
似ている点としては誰にでもかかる可能性がある頻度の高い病気である点、適切な治療がなされればほどなく回復することなどです。うつはこころの風邪という言葉によってうつ病への誤解や偏見はかなり少なくなってきたように思われます。
違う点としては生活への影響がとても大きい点、数ヶ月以上病気が続くことが多く、繰り返すこともまれではない点などです。WHOの調査において、うつ病は生活の質を落とす原因の第1位にランクされているほどです。
うつ病は誰でもかかる可能性のあるありふれた病気ですが生活への影響がとても大きく、きちんと治療する必要がある重大な病気です。風邪だと思って軽く考えていると肺炎になって命にかかわる場合もあるので適切な対処が必要です。うつ病の治療については別の機会に詳しくお話ししたいと思います。