不眠に対する認知行動療法

 認知行動療法とは、眠りに対する思い込みや強迫観念を正し、一人一人にあった睡眠習慣を見つけていく少し専門的な治療法です。

 ここでは自分でできる3つの方法を紹介します。

 1つ目は、寝床にしがみつかないこと。不眠症で苦しんでいる人は、眠ることにとらわれ、寝床は苦しい場所だと無意識に思っているため、緊張感でますます眠れなくなってきます。そこで、眠くなるまで寝床に入らない、眠れないままに寝床で過ごさない、の2つを実行し、“寝床は眠れる場所”だということを体に条件づけます。

 2つ目は、睡眠効率を上げること。睡眠効率とは、寝床にいた時間に対する実際に眠った時間の割合(睡眠時間÷就床時間)です。まずは1週間の睡眠時間を毎日記録して、寝床に居る時間をそれに合わせて決めていきます。1日平均で5時間程度しか眠れていない場合には24時から6時くらいまでしか寝床で過ごさないことで、睡眠効率を85~90%に上げていくことを目指します。

 3つ目がリラックスです。寝る前に、簡単な体操を行う筋弛緩法を実行しましょう。単に筋肉をほぐすだけでなく、副交感神経の働きでリラックスしたり、脈拍が遅くなったりなど、全身に影響を与えることができます。